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【インタビュー】ドットジェイピー宮崎支部の皆様

取材日:2023/02/06

(写真:Gcom)


 今回のインタビューは、全国に35もの拠点をもつ、【NPO法人ドッドジェイピー】。
 活動目標は、「若年投票率の向上」と、素敵な団体です。その中で「まちだん」の実証実験を実施している宮崎支部から3名の学生にインタビューしました。

 取り組んでいる活動から、「なぜドットジェイピーに参加したのか」などを聞いてきました。これから進学する学生も参考になると思います。


目次[非表示]

  1. 1.ドットジェイピー宮崎について
  2. 2.インタビューを受けてくれた、3名の学生を紹介
  3. 3.ドットジェイピー宮崎支部の活動内容
  4. 4.地方議会について

ドットジェイピー宮崎について

—ドットジェイピー宮崎は何人で活動されていますか?

 現在は、1~3年生の計7人(女6 男1)で活動しています。宮崎エリアが発足したのは、2022年の10月からで、発足以前は鹿児島や熊本の支部が掛け持ちで宮崎エリアを担当していました。

 支部発足の背景としまして、宮崎には地元のことを想い、活動されている議員の方々が多くいらっしゃるのですが、若者の投票率が低いことが課題でも有りました。そこで私たちは、この課題を改善できる力が団体として微力ながらあると思い、支部発足に一歩踏み出したところです。


—普段はどのような活動をされていますか?

 普段は週に2回定例会を実施しおり、内容としては、下記の項目などを議論しています。

・インターン運営方針についてのMTG

・選挙に向けて何ができるか

・各部署での進捗確認

 その他には議員交流会を主催しています。交流会では、インターン生が議員の方々と一緒に「これからの日本や宮崎について」話し合ったりしました。今(インタビュー当時:2023年2月)は、このインターンのキックオフイベントをちょうど実施しているところです。

定例会の様子(提供:ドットジェイピー宮崎様)

議員交流会の様子(提供:ドットジェイピー宮崎様)


—議員交流会(インターンシップ)について教えてください。

 学生から議員の方に対して、「どんな仕事をしているのか」「なんで議員になったのか」などの疑問点を質問したり、議員さんと政策について一緒に考えたりしています。自分達(学生)の知識だけでは行き詰ってしまった場面では、議員さんからアドバイスをもらったりしました。

 また、政策を考える際には、議員さんと一緒に市民の方を訪問して、要望や問題を聞きました。その課題に対して、若者目線で具体的にどう解決するのかというのを考えています。そして、このような活動を通して、最終的に未来自治体全国大会というプレゼン大会での発表を目標としています。これは、30年後の日本に向けて予算も含めて政策を考えるプレゼン大会なのですが、これに向けてインターンでは様々な活動をしています。

  それ以外では、ドットジェイピーは最終的な目標として「若年の投票率の向上」を目標に掲げているため、昨年(2022年)の12月に開催した議員交流会では、宮崎県知事選でも投票率の向上の為に私たちができることがないかと考え、投票率向上のためのチラシ配りの活動もしました。

 また、 議員の方からも「なんで選挙に行かないの?」や、「どうやったら行きたい?」などの質問を受けたりもしました。


—ちなみに、選挙に行く施策に対してはどのように答えられましたか?

 「どんな人が立候補しているのかわからない」や「投票所に行くのが面倒」などの意見があり、それならネット投票があればいいのではなどと議論しました。 


—SNS(Instagram等)でも活発に活動されてますが、発信内容などに関して心がけていることを教えてください。

 Instagramでは、若者向けに「投票の仕方」「立候補者の紹介」などをわかりやすく投稿するようにしています。
 また、鹿児島支部にデジタル部署があるので、その方達にも投稿作成などに協力してもらい、想像以上に多くの人に投稿を見てもらえたので嬉しかったです。


Instagramリンク(miyazaki_dot_jp):_https://www.instagram.com/miyazaki_dot_jp_/

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インタビューを受けてくれた、3名の学生を紹介

—なぜ、ドットジェイピーに参加しようと思いましたか?

1人目:江川琴実 さん


(写真:Gcom)

 議員交流会(インターン)に参加したことがきっかけでした。交流会ではとても良い経験をさせて頂いて、ずっと宮崎にいるのに宮崎を全然知らないことも痛感しました。また、議会の一般質問を傍聴したのですが、自分たちの身近な問題も含め、宮崎には色々な問題があるんだと感じとても勉強になりましたし、楽しみながら宮崎について学べる機会でもありました。

 こんなに良い機会があるのに私たちみたいな若者が知らないのはもったいない!また、宮崎市議会議員の方も良い方ばかりだと知ったので、交流会の事や議会・議員さんの事をもっとたくさんの人に広めたいと思い、ドットジェイピーへの参加を決めました。


2人目:永友はるか さん

(写真:Gcom)

 鹿児島のスタッフの方からInstagramのDMで、「議員交流会(インターン)やっているんですが、よかったら来ませんか」とメッセージが来たのがきっかけです。
 その時はインターンに興味があるというよりは、そういうことやってる学生に興味を感じて、「どんなインターンですか?」などと話を聞いて行くうちに、地元のことってあまり知らないと改めて感じました。

 私の将来の夢の話になるのですが、【貧困問題を解決したい】と思っています。小さいころから国際協力などに興味があり、きっかけとしては、高校2年生の時に英語で新聞を書く授業の際に、貧困をテーマに記事を書こうと思い色々と調べていくうちに、想像を絶する現実があると学んだことです。
 日本にも貧困の方はいるのですが、貧困が直接には見えにくい国で、「同じように生きているのに、そんな深刻な問題があるのはどうかな」と思い、一人でも多くの人が住みやすい国にするために、貧困問題を解決することを目標としています。

 そのために、起業を考えたり、世界の事を知るのが重要だと考えていたのですが、交流会(インターン)の話を聞いているうちに、地元宮崎のことすらもあまり知らないと実感し、まずは「宮崎を知るところから始めよう」「参加して成長しよう」と思い、交流会(インターン)に参加しその後ドットジェイピーにも所属しました。


3人目:平岡杏菜 さん

(写真:Gcom)

 私は将来の夢を持っていなかったのですが、周りの人たちは夢を持っている人が多く、よく焦りを感じていました。そのような中で交流会の話を聞き、議員さんは様々な分野について勉強をされたり、地域のことを考えて活動されている方々なので、自分もそこに触れて、自分の興味のある分野を見つけられたら考え、交流会(インターン)に参加しました。

 交流会(インターン)参加して、こんな良い機会があるので若者にもっと広めたいと思っていたところ、ドットジェイピー宮崎支部代表の方に声をかけて頂いたため、ドットジェイピーにも参加をすると決めました。



ドットジェイピー宮崎支部の活動内容

—以前まちの若者にインタビューをされていましたが、活動内容を詳しく教えてください。

 「投票に行きますか?」などの街頭アンケートを宮崎県知事選前(2022年12月)に行いました。アンケート結果は、投票に行った人やこれから行く人の方が割合的には多かったですが、その中で「選挙があるのを知らない人」や「選挙には興味がないから行かない」という意見も実際に目の当たりにしてショックを受けました。

—12月の県知事選の投票率向上に向けた活動が終了したあと、次の活動に向け課題などを出したりしましたか?

 12月の県知事選では各立候補者の方々と対談する事を目標にしていたのですが、スケジュールが合わなかったりと実現ができなかったので、企画段階からスケジュールを上手く調整するという課題が1つあがりました。

 他にもビラ配りをしたのですが、ビラの作成から配布まで短期間で実行したので、次回実施する際には、時間をもっと費やし、よりよい活動をしていけたらと思います。


—12月の県知事選で1番成功した(良かった)と思った活動はありましたか?

 自分たちの活動(ビラ配りやSNS発信)だけで最初は知事選のことを多くの人に広められるか不安でしたが、一人ひとりにビラを手渡しで配れたことで、 実際に投票率も上がったと思うのでめちゃめちゃ嬉しかったです!

※確定投票率は56.69%で、過去最低だった前回・4年前の選挙の33.9%と比べて22.79ポイント高かった

 また、イオンなどで投票ができるようになったのも、投票に行く人の幅が広がったのではないかと感じました。投票日が12月25日でクリスマスでもあり日曜日だったので、私もプライベートで見たいライブ配信がありましたが、その時はライブ配信を我慢して選挙結果を見てしまうほど、私自身の変化もありました(笑)。プライベートよりもドットジェイピーでの活動を優先していたので、結果が良くて安心しました。 

ビラ配りの様子(提供:ドットジェイピー宮崎様)


—今年は(2023年)は統一地方選挙がありますが、統一地方選に向けて企画していることはありますか?

 4月の地方選に向けて12月のようにまた何か活動ができたらとは考えています。企画してる施策としては、投票率の向上に向けて、【選挙割引】【公開討論会】【ビラ配り】、この3つをドットジェイピー宮崎支部だけでなくドットジェイピー全体で企画しています。

 交換党討論会は各支部によって違うのですが、基本的にはSNSでの配信と現地参加の2つの視聴方法を用意しようと思っています。



地方議会について

—地方議会に興味をもってもらうために、有効だと思うことはありますか?

 高校生に対して大学生が出前授業を実施するのが良いと思います。同世代から教わることで、しっかり学ぼうと気持ちが引き締まるし、教える側の大学生もしっかりインプットしないと教えられないので、大学生にとっても有効だと思います。
 まずは、選挙管理委員会などから大学生に一度授業をしてもらい、そこから大学生によるブラッシュアップを加え、高校生に授業をすることで、高校生から地方議会への興味を底上げし、選挙に行く人を増やしていくのが良いのではと思います。

 実際に大学で【地域コミュニティの活性化】についての演習があった際、私たちは、【地域コミュニティの活性化】は投票率の向上にもつながるとも考えているため、その演習の発表の場でこのような出前授業を提案してみました。発表会場に市役所の職員の方もいらっしゃっていて、実際に選挙管理委員会に提案してみますと言ってもらえたので嬉しかったですし、効果があるのではと思っています。


—ドットジェイピーに入ったことで、議員への印象の変化はありましたか?

 それは、、、めちゃめちゃあります。(笑)
 TVの取材でも同じ質問があったのですが、その時答えたのは、今までは議員の方と接する機会も無かったですし、報道など目に触れる機会では、不祥事などが多く報じられており、良いイメージがあまりありませんでした。またそもそもイメージできるほど議員の方のことを知りませんでした。

 ドットジェイピーに参加し、議員の方と関わるようになってからは、皆さん本当に良い人達だと間近で感じる事が多く、「こんなに宮崎の事を考えているのか」と感激したので、多くの人にこの事を知って欲しいと思っています。


—一般質問など本会議に興味をもってもらう為に、有効だと思うことはありますか?

 同世代では議会の存在すら知らない人もいるので、身近な問題を発信することで、興味を持ってもらえる可能性は十分にあると思います。また、 一般質問では聞きなれない難しい用語が多く使われているので、もっと市民のわかりやすい言葉で身近な問題から伝えると、多くの人にもっと興味を持ってもらえると思います。


—その他にどんな情報があると、議会や議員に興味をもってもらえると思いますか?

 議員さんの意外なおちゃめな部分など、日常を見れると距離が縮まると思います。その他には、今どんなことについて議会で話し合っているかなども知れたらいいですし、調べずにそういった情報が目に入る仕組みだと、さらに身近に感じれるかもしれません。
 これは他の市議会の方が実際に取り組まれていたことなのですが、 議会の案内をスーパーのチラシ風に編集していてとてもおもしろいと思いました。(霧島市議会、山口ひとみ議員)

 また交流会(インターン)中には、知りたいことは直接聞いて、議員の方々に歩み寄る事を意識していたので、市民側が議員・議会に歩み寄っていくことも大事だと思います。




ドットジェイピー宮崎支部の皆様ありがとうございました。

今後も宮崎支部の皆様の活動や、他の支部の活動・思いも届けていこうと思います。



まちだん開発チーム
まちだん開発チーム
議会と住民が一体となった住民参加型のまちづくりを実現するサービス『まちだん』の開発チームです。 Twitter(https://twitter.com/machidanGcom)で地方議会情報や活動内容など発信中📢
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