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【インタビュー】宮崎市議会DXアンバサダー 広瀬梨奈さん


取材日:2023/02/06

(写真:Gcom)

 宮崎市議会DXアンバサダーとして活動する、宮崎大学 地域資源創成学部 広瀬梨奈さんのインタビューをお届けします。

 宮崎市議会DXアンバサダーとは、宮崎市議会DXプロジェクトチーム(以下、プロジェクトチーム)が行っている実証実験(期間:2021/12~2023/3/31)の中で、議会と市民の懸け橋になる存在のことで、プロジェクトチームから委嘱され、中学生から社会人まで計19名のアンバサダーが活躍。

 そして今回は、アンバサダーを代表して広瀬梨奈さんに「アンバサダーになったきっかけ」などを語ってもらいました。

 今後、アンバサダー制度を活用したい議会、アンバサダーになりたい人にも参考になると思います。


目次[非表示]

  1. 1.アンバサダーになったきっかけ
  2. 2.広瀬さんの人柄
  3. 3.地方議会・まちだんについて
  4. 4.最後に



アンバサダーになったきっかけ


—アンバサダーに応募したきっかけを改めて教えてください。

 アンバサダーになったきっかけは、大学からの【議員と学生の意見交換会】の案内でした。 もともと私自身が行政の仕事などに興味があったのもあり、議員さん達と関わりたいという思いから、意見交換会に参加しました。
 意見交換会の参加後に【宮崎市議会DXアンバサダー】を募集していることを知りました。 そこで『まちだん』のサービスに共感するが部分があったのでアンバサダーに応募しました。


—『まちだん』のどういったところにに共感されましたか?

 やっぱり私自身がこれまで過ごしてきた中で、議員さんと関わる機会がそもそも無く、 議員さんがどんな人なのかよくわからないと思っていました。また大学の講義を通して、地域は住民が主体となってつくっていくものだと感じているのですが、そうであるのなら主体の住民はもっと地域に関わらないと、地域をつくるのは到底無理だろうなとも思っていました。だから『まちだん』を通して住民や大学生が今までよりもっと地域と関わったり、議員さんと距離を縮めたりできる部分にすごく私は共感しました。



広瀬さんの人柄


—大学ではどのようなことを勉強していますか?

 まだ大学2年なので経営学、会計学、法律など幅広く学んでいます。 でも結局軸としてあるのは地域学で、地域活性化や地方創生に焦点を当てた授業が多いです。 地域づくりの方法を学んだり、行政の方のお話を直接聞いたり、あとは実習があるのが地域資源創成学部​​​​​​​の特徴だと思います。
 私が参加した実習では、西米良(宮崎県児湯郡西米良村)に行きました。 このように自分たちの目で地域を見たり、地域住民の声を聞いたりできるというのが実習の魅力です。


—選挙啓発系や地域づくり系のサークルなどには入っていますか?

 毎年夏に清武地区(宮崎県宮崎市清武町)で開催される、郷土祭りの企画や運営をするサークルに入っています。 郷土祭りは規模が大きく、人もたくさん来る祭りです。 商工会議所の方や地域住民の方とともに企画運営を行っており、学生は出店やステージで主に活躍しています。

郷土祭りの企画運営サークルの様子、左が広瀬さん(写真:広瀬様提供)

—政治や地方創生に興味を持ったきっかけはありますか?

 中学生の時に公務員の方のお話を聞いて、自分も公務員になりたいと思ったことが一番のきっかけでした。 それまでは、いずれ知っていかないといけないことだとは思っていたのですが、周りの皆が全員関心を持っているという状況ではありませんでした。そこで、周りの人が知らない分自分が知識をつけて、誰か一人でも政治などに興味を持つきっかけづくりができたら面白いなと思うようになりました。

—以前アンケートで防災に興味があると回答されていましたが、防災に興味を持ったきっかけは?

 防災は昔から興味がありました。きっかけは、中学生の時に1泊2日の避難訓練に参加したことです。その避難訓練では、実際に簡易トイレやテントを用意するなど、実際の災害時とほとんど変わらない状況下にありました。

 地域の高齢化が進んでいることもあるかもしれないですが、その避難訓練に参加していたのは高齢の方がほとんど、というか若者の姿は見られませんでした。実際に災害が起こった時、避難をするのは高齢の方だけではありませんし、動ける若者の力が必要となる場面も多くあると思います。それでもっと若者が防災に関心を持って知識をつけ発信したり、小さな子どもたちが防災について考えられるような環境が必要だと感じ、大学入学後に防災の学生団体に入りました。


—その防災の学生団体について詳しく教えてください。

 【宮崎県わけもん防災ネットワーク】という団体なのですが、宮崎大学や南九州大学などの学生が中心となって、57名で活動をしています。


—「若者も防災にもっと興味を持つことが大事」と感じたのは、なぜですか?

 私の大好きな地元をこの先ずっと安心して生活できる地域にしたい、という思いが根底にあって、若者の力が必要だと思ってます。 宮崎には大学生もたくさんいます。大学生は大学という専門家の集まる環境に日々身を置いているわけですし、そこで学んだことを大学生のときからもっと地域に還元しないともったいないなと感じています。若者が防災に興味を持つことからはじめれば、いずれは地域に大きな影響を与えうると思っています。


—宮崎出身の学生と宮崎県外から来た学生とで視点の違いなどはありますか?

 私みたいに宮崎にずっと住んでいる人間からすると、他の地域から来た友達の一言に思いがけない気づきがあったり、新しい視点をもらえたりするので、他地域の人と学ぶことでおもしろさ、一緒に学ぶ楽しさ、発見があって他地域の人と関われるのはうれしいです。
 それが地元にずっと住んでいる人だけで学ぶと、よくわからないまま終わってしまう部分もあると思うのですが、外国人含めいろんな人が集まると楽しいです。


インタビューの様子(写真:Gcom)

—学外での実習は具体的にどのようなことをしていますか?

 市街地や農村地域など県内各地をフィールドとして、経営者の方や地域団体で活動をされている方のお話を伺ったり、自分たちで地域を歩いて資源を見出したり、何気ないところから新たな気づきを得られることも多くあります。
 地域の課題を地域資源を活用し解決することももちろん大切なのですが、何よりまずは地域を知るというところが大事で、いろいろな地域を知るにつれて比較をするなど、いろいろな視点から地域を捉えられるようになることも大事だと感じています。


—地域課題を解決する中で、議員に相談する場面はありましたか?

 議員さんとなると、ありませんでした。 議員さんの事をあまりわかっていなかったですし、距離を感じていた事も関係あるかもしれないですね。 起業された方とかも最初は遠い存在だと思ってたんですけど、講義で関わる機会があったことで、どんな人か知ることができました。でも議員さんとは、そのような機会が中々なく、遠く感じていました。


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地方議会・まちだんについて


—3月の意見交換会以前に宮崎市議会と接する機会などはありましたか?

 接する機会は、これまではありませんでした。 行事にいつも参加されている議員さんの名前を知っている程度でした。

—【意見交換会】で初めて議員と交流して、議会や議員に対する印象の変化はありましたか?

 もともと私は議会や議員さんに悪いイメージを持っていたとかではなかったですが、議員さんは住民の見えないところで、机を囲んで会議をしていたりと閉鎖的なイメージでした。
 でも、実際にお話させていただくと、気さくな方々でしたし、そもそも意見交換会という場を設けてくださったことも含めてオープンだと感じました。 また、大学生が意見を言っても聞き流されるイメージを持っていたのですが、丁寧に学生の話も聞いてくださってとても良い印象を抱きました。色々な意見を投げても一つ一つ返してくださいましたし、気さくに接してくださったことも含めてとても嬉しかったです。

—『まちだん』を使って議員さんにメッセージを送ったりしたことはありますか?

 相談はしていないですが、議員さんに直接相談できるということはとても魅力的だと思います。

—まちだんにあったらいいなという機能はありますか?

 今の機能で充実していると思いますが、学生向けの情報、子育て世代への情報といった感じで議会と関連する情報がターゲット別にまとめられていることは大事かなと思います。 

—議員プロフィールはどうでしたか?

 見にくいなどは特にありませんでした。逆に、議員さんは情報が守られているイメージがあったので、個人的な情報も載っていてオープンにしていいんだと感じました。

インタビューの様子(写真:Gcom)

—議員の活動内容をもっと知れたら、相談しやすくなりますか?

 確かに議員さんごとに力を入れているカテゴリーを知ることができたらいいですね。 更に分野ごとに過去に行った活動も知れるともっと良いと思います。 個人的にも議員さんそれぞれが取り組んでいることは知りたいです。 会議とか議員さんが集まってする活動は比較的オープンにされていると思いますが、議員さん個人でされている活動ももっと知ることができたらいいですね。

—一般質問は市民の方も傍聴に行けることは知っていましたか?

 知らなかったです。 高校生の頃に政治の勉強をしていた時、回覧板で回ってきた議会だよりを見てみました。その中で一般質問とその解答の要約を見た時、どのように行われているのだろうという疑問は抱いたのですが、自分達が見に行けるとは全く思っていませんでした。
 自分たちも見れると知った時に、見に行くことは普通なのかなと思ったり、 誰と見に行くかも思いつかなかった事もあり、自分ごとのようにはとらえられなかったです。

—一般質問後30秒動画は見られたりしました?

 見ました。 30秒という長さがちょうどいいなと思いました。 短いほうが内容も入ってきやすいので、とってもいいと思います。


最後に


—これだけ地域の事を考え、アンバサダーとしても活動された広瀬さん自身が議員へ立候補する思いはありますか?

 議員になるというのはなかなかハードルが高いですね、、、。議員さんが今されているようなことを自分がやるとなるとなかなか想像がつかないです(笑)私も地域を思う気持ちはたしかに強くあるのですが、議員とは違った形で地域や人を元気にできる働き方をしたいですね。

—最後に2023年3月で実証実験は終了しますが、今後の思いを教えてください。

 自分が今後も活動を続けるとなれば、今まで以上に力を入れて活動したいと思います。SNSでの発信方法をもう少し分析したり、議員さんとの意見交換会の形を変えて実施したりとまだやりたいことが多く残っています!



まちだん開発チーム
まちだん開発チーム
議会と住民が一体となった住民参加型のまちづくりを実現するサービス『まちだん』の開発チームです。 Twitter(https://twitter.com/machidanGcom)で地方議会情報や活動内容など発信中📢
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