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Decision Makingと「意思決定」


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「Decision Making」とは

私たち地方行政経営研究所は、公共政策という行政的視点と経営学的視点を融合させて地方の運命打開を目指すという基本的な考え方を持っています。前回はEBPMという用語を直訳すると誤解が生じるという注意喚起をしましたが、実は行政の実態と経営学の間で決定的に異なっているのに日本でほとんど指摘されていないのは「Policy Making」の部分だと感じています。例えば、経営学では「Decision Making」という研究分野がありますが、これは多くの日本人がイメージする「意思決定」とは全く異なるものです。
Decision Makingとは、複数の選択肢(代替案)から適切なものを選択することをいいます。そのために、目的を明確にし、代替案を作り、各代替案を評価し、採択する案を決めます。各代替案はあくまで案ですから、それらが確かな場合と不確かな場合に分けます。評価・採択する際には、短期的なメリット・デメリットと長期的なメリット・デメリットを比較考量することになります。比較考量する場合はあくまで経済性に基づいて、何と何を比較するのかを明確にした上で、比較する代替案の現金収支を捉えます。経済性を評価する場合は、各代替案に制約の有無、背反の有無、混合の可否によって、採択の仕方が変わります。キャッシュフローについては更にシビアです。売り上げた収益が入っていない(売掛)、購入したが支出がない(買掛)、支出が費用計上されない(投資・棚卸)、費用が支出計上されない(減価償却)という実態も見逃せません。

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https://lg-institute.gyoseiq.co.jp/blog/member/chief_13-2 ​​​​​​​



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自治体事例集

小出篤
小出篤
昭和50年、千葉県生まれ。システムエンジニアとして住民情報システムの開発・導入、コンサルタントとして市区町村における情報システムの最適化・投資の適正化・人材育成・計画策定を経て、地方行政経営研究所 フェロー、合同会社情報政策リサーチ&コンサルティング パートナー、Code for Kanoya 代表、自治体のDXアドバイザーなどを務める。公共政策修士(MPP)、経営管理修士(MBA)。
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